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山口ヒロキ監督

最初のきっかけは網走でした。
2016年の冬、ご縁があってオホーツク網走フィルムフェスティバルで、 監督作品『ヲ乃ガワ-WONOGAWA-』を上映して頂く機会があり、そこで初めて網走を訪れました。

その際に網走監獄や能取岬など秀麗なロケーションを案内していただき、そこで受けたインスピレーションから「網走で何か映画を撮ってみたい」という想いが生まれました。そんな折、企画プロデューサーの岩田さんから、ボカロを原作にした映画を作れないかと提案を受け、資料として聴かせて頂いた曲の中に40mPさんの『トリノコシティ』がありました。

謎かけのようなフレーズから始まる切ない歌詞。
世間から取り残された「自分」という存在。
曲を聴きながら網走の風景に1人取り残された女子高校生のイメージが浮かびました。

実写映画化に向けて40mPさんとお会いして、歌詞に込めた想いや作曲された当時の心境を伺いました。
その中で感じた事、歌詞の意味から想像した世界観を元に岩田さんがストーリーの原案を考えてくださり、そこから脚本執筆が始まりました。
打ち合わせの中で、劇中の音楽も40mPさんに担当して頂けることになりました。
40mPさんの楽曲にインスパイアされ映画を作り、それに合わせて40mPさんが作曲をする。
クリエイティビティの高い新たな試みになりそうで楽しみです。

映画『トリノコシティ』は、現代社会を生きる人々の閉塞感をテーマにしています。
学校で、職場で、家庭で。明日また新たな一歩を踏み出す勇気が生まれるような、そんな映画をお届けしたいと思っております。

40mP音楽・原曲

これまで私の楽曲をノベライズやコミカライズしていただく機会はいくつかあったのですが、映像化は今回が初めての経験で、お話をいただいたときは驚きでいっぱいでした。

企画プロデューサーの岩田さん、監督の山口さんをはじめ、制作スタッフの方々と実際にお会いしお話をお伺いする中で、皆さんの制作に対する情熱を感じ、自分としてもぜひ「トリノコシティ」の映像作品をこの目で観てみたいと思うようになりました。

「トリノコシティ」は2010年に制作・発表して以来、代表曲のひとつとして、たくさんの方にカバーされたり、自分自身でもコンサートなど多くの場で披露してきた楽曲です。 当時はちょうどTwitterが世の中に浸透しはじめた頃で、ネット上でのコミュニケーションのあり方が大きく変化してきた時期でした。 そんな中、いつでも誰とでも気軽にコミュニケーションがとることができる一方、リアルの世界の孤独感が増しているように感じた瞬間があり、そのときの心情を包み隠さず歌にしたのが「トリノコシティ」でした。

あれから7年以上の時が経ち、コミュニケーションの姿はさらに多様化しています。形を変えながらも、でもやっぱり誰しも心のどこかに宿している孤独感や閉塞感。 今回の映画が、そんな心の底に淀んだ感情と向き合えるきっかけになっていただけると幸いです。

そして、今回、映画音楽の制作をお手伝いさせていただくことになりました。 昔インスト音楽の制作を行っていたこともあり、いつか映画の劇伴にも挑戦してみたいと思っていたので、貴重な経験をいただき感謝しております。存分に楽しみながら制作に臨んでまいります。

最後に、今回このような素晴らしい機会をいただき本当にありがとうございました。 イチ視聴者としても、どのような作品が出来あがるかとても楽しみにしております。

岩田雄介企画・原案

「トリノコシティ」を映画化するにあたり、俳優、スタッフ、関係者の皆様にお礼申し上げます。 私はボカロが好きで、以前から沢山のボカロ楽曲を聴いていました。 この映画を企画した理由は、まだボカロを知らない方にボカロの魅力を届けたいという目的と、 私自身の「これからもより多くの曲と出会いたい」という想いからでした。

40mPさん、企画や私のボカロに対する想いに、一つ一つ丁寧に応えていただき、ありがとうございました。 多くの曲の中から40mPさんの曲を映画化したいと決めたのは、そのお人柄と「映画の企画や作品は全てお任せするから自由に挑戦して欲しい」というお言葉でした。 映画音楽の制作をご相談させてもらったところ、「初経験ですが挑戦してみたい」と言って頂けた際には、一ファンとして涙が出そうでした。

情報解禁後、何故「トリノコシティ」を映画化するのか?と多くの方からご質問を頂きました。 この作品はまず、ボカロをテーマとした映画企画を立ち上げたところから始まりました。 そして40mPさんの曲を原作とさせて頂く事に決定。40mPさんの作品の中で、曲と監督の相性を最優先に考えた結果、感性を揺さぶられる詩や世界観がうまく共鳴し合いそうだと思えたのが「トリノコシティ」でした。 こういった理由から40mPさんにご相談したところ、ご快諾頂けたことにより、映画用に原案の構想に挑戦させていただく事が出来ました。 シャノさんによる小説版「トリノコシティ」も出版されており、小説版の要素も取り入れつつ、発想を膨らませていきました。

映像×音楽×脚本×芝居。 それぞれに特化した表現者同士の連動を心がけた結果、新しい世界が描き出せました。 「トリノコシティ懐かしい。もう一回聴いてみよう」 「ボカロってなんだ?聴いてみよう」 「他の曲もいい曲あるな」 ボカロには素敵な曲が沢山あります。 この映画をきっかけに、少しでも多くの人がボカロの魅力に出会って頂ければ幸いです。